公開: 2026-07-07|良品チェッカー編集
エアフライヤー(ノンフライヤー)にアルミホイルやクッキングシートを敷いてよいか、という質問はとても多く、答えは「条件付きで使えるが、使い方を誤ると発火することがある」というのが実情です。結論を先に言うと、①必ず食材の重みで押さえる、②ヒーター(庫内上部の発熱体)に触れさせない、③空焚き・予熱のときに敷きっぱなしにしない、という3点さえ守れば大きな事故は避けやすくなります。
一方で「メーカーの取扱説明書に使用不可・非推奨と書かれている機種もある」「クッキングシートの耐熱温度と庫内温度のギャップで焦げ・燃えが起こりうる」といった、機種や条件によって答えが変わる部分もあります。この記事では、なぜ危険なのかという仕組みから、メーカー差、酸性食材の落とし穴、具体的な安全手順までを、正直に限界も添えて整理します。
なお本記事は一般的な仕組みの解説です。最終的な可否と方法は、お使いの機種の取扱説明書が最優先になります。
まず全体像です。アルミホイルもクッキングシート(オーブンシート)も、多くの機種で「条件付きなら使用可」というのが一般的な扱いです。ただしエアフライヤーは庫内上部にヒーターがあり、強力なファンで熱風を循環させる構造のため、軽い紙やホイルが舞い上がって発熱体に触れると燃える、という他の調理器具にはないリスクがあります。
そのため、使うかどうかよりも「どう使うか」が本質です。安全側の共通ルールは、食材の重みでしっかり押さえること、ヒーターや通気の妨げになる敷き方をしないこと、そして食材を入れない空焚き・予熱の状態で敷きっぱなしにしないこと。この3点は、後述するフィリップスやCOSORIなど複数メーカーの案内にも共通して見られる考え方です。
逆に言えば、これらを外すと「軽いシートがファンの風で舞ってヒーターに接触」「ホイルが吸い込まれて発火」といった事故につながりえます。まずはこの因果関係を押さえておくと、以降の手順の意味が理解しやすくなります。
エアフライヤーの構造を理解すると、危険の理由がはっきりします。多くの機種は庫内上部にヒーター(発熱体)があり、その近くのファンが高速で回って熱風を循環させています。この風は、軽い紙やホイルを持ち上げるのに十分な力を持つとされます。
食材が乗っていれば、その重みでシートやホイルは底に押さえつけられ、動きません。しかし食材がない状態(空焚きや予熱のみ)でシートを敷くと、風でめくれて舞い上がり、上部のヒーターに触れて燃える、あるいはホイルが吸い込まれて発火する、という流れが起こりえます。実際、フィリップスは公式FAQで「食材を入れずにオーブンペーパーやアルミホイルを使用すると、ヒーターに吸い込まれて発火するおそれがある」と案内しています。
つまり危険の主因は「高温そのもの」だけでなく、「軽いものが動いてヒーターに接触する」という物理現象です。だからこそ、温度以上に『押さえる・動かさない』が効くわけです。
クッキングシートには耐熱温度の表示があり、一般的には「250℃・20分」を目安とする製品が主流ですが、200℃前後までのものやそれ以上のものまで幅があります(素材や商品による)。使う前に、お手持ちのシートの表示を確認しておくのが安全です。
一方でエアフライヤーの調理温度は機種により200℃前後まで、モデルによっては230℃前後まで上がることがあります。つまりシートの耐熱上限と庫内温度が近接する、あるいは超える場面がありえます。参考までに、COSORIが販売する純正のエアフライヤー用ペーパーは、最高適用温度230℃をうたっています。庫内温度に対して余裕を持った耐熱のものを選ぶと安心につながります。
ただし前述のとおり、耐熱温度内でも「舞い上がってヒーターに接触すれば燃える」点は変わりません。耐熱表示はあくまで『静かに置かれた状態での目安』であり、動いて発熱体に触れる状況は想定されていない、と捉えておくのが安全です。焦げ・燃えの境界は、温度と接触の両面で決まる、というのが実情です。
ここが最も誤解されやすいポイントです。アルミホイル・クッキングシートの可否は、メーカーや機種によって案内が分かれます。同じ「エアフライヤー」でも、公式の推奨が事実上真逆になることがあります。
たとえばフィリップスは、公式FAQでオーブンペーパーやアルミホイルの使用を積極的には推奨していません。バスケットの底を覆うと空気が適切に流れず調理性能が落ちること、そして食材を入れずに使うとヒーターに吸い込まれて発火するおそれがあることを理由に挙げています。一方でCOSORIは、取扱説明書上でクッキングシート・アルミホイルの使用自体は認めつつ、通気孔をふさがない・食材の重みで押さえる・予熱時には用紙だけを入れないといった条件を示しています。
このように「使える/使えない」に普遍的な正解はなく、機種依存です。ネット上の『使えます』という一般論を鵜呑みにせず、必ずお使いの機種の取扱説明書やメーカー公式の記載を確認してください。使用不可・非推奨と明記されている機種で無理に使うのは、火災リスクと保証の両面で避けるべきです。
アルミホイルは高温に強く、クッキングシートより燃えにくいという利点があります。ただし別の落とし穴があります。ひとつは酸性・アルカリ性の食材との反応です。アルミニウムは酸やアルカリと反応しやすく、梅干し・トマト(トマトソース)・レモンなど酸性の強い食材に長く触れると、黒ずんだり、穴が開いて溶けたりすることがあります。実際、梅干しを包んだアルミ箔に穴が開いた事例は、東京都の食品安全FAQでも紹介されています。
溶け出したアルミニウムについては、体内に入ってもほとんどが排出され健康影響は小さいとする見解が一般的です(東京都の食品安全FAQも同様の説明をしています)。とはいえ、料理に金属が混じったり、見た目・味に影響したりするのは避けたいところ。酸性の強い食材をホイルで長時間包む・受けるのは避けるのが無難です。
もうひとつの落とし穴が通気です。バスケットの底全体をホイルで覆うと、本来底から回るはずの熱風がさえぎられ、焼きムラ・生焼け・底がベチャつく原因になります。エアフライヤーは『空気が回ってこそ』の調理器具なので、覆いすぎは味と安全の両面でマイナスです。
ここまでの仕組みを踏まえた、具体的な安全手順です。いずれも「動かさない・ふさがない・空で敷かない」に集約されます。まず前提として、機種の取扱説明書で使用可となっていることを確認してください。
アルミホイルなら、熱風が均等に回るよう小さな穴を数か所開けると、通気を確保しつつムラを減らせます。油や汁がこぼれないよう端を少し折り曲げてトレー状にするのも有効です。バスケットの通気孔・底全体はふさがないこと。クッキングシートなら、食材に合わせてカットしてバスケットからはみ出させない、二重敷きにしない(熱がこもりやすい)、そして必ず食材の重みで押さえることが基本です。
最も重要なのが予熱・空焚きの扱いです。予熱が必要な場合は、シートやホイルを入れずに空の状態で予熱を済ませ、加熱後に食材を乗せたシートを入れるのが安全です。食材のない状態でシートだけを庫内に置くと、風でめくれてヒーターに触れ、火災につながりえます。調理中も、加熱の途中でシートがめくれていないか気にかけておくと安心です。
「毎回カットや穴あけをするのが面倒」「舞い上がりが不安」という場合は、エアフライヤー専用に作られた穴あきのペーパーライナーや、シリコン製のトレー・型を使う手があります。専用ライナーはあらかじめ通気用の穴が開いており、バスケットの形に合わせてあるため、通気を確保しつつ舞い上がりも抑えやすいのが利点です。メーカーによっては、庫内温度に合わせた耐熱表示の純正専用ペーパーを用意しています。
選ぶ際は、①お使いの機種のバスケットサイズ(3L・5Lなど)に合うか、②耐熱温度が調理温度に対して余裕があるか、③穴あきで通気が確保される設計か、を確認しましょう。とくにサイズは重要で、大きすぎるとはみ出してヒーターに近づき、小さすぎると食材が乗らず舞いやすくなります。
互換品(サードパーティ製)は安価で選択肢も豊富ですが、耐熱表示があいまいな商品や、サイズ・穴位置が合わない商品も混じります。耐熱温度の明記があるか、レビューの信頼性はどうか(後述)を確認したうえで選ぶと失敗しにくくなります。純正・非純正いずれにせよ、専用品でも『空で敷かない・食材で押さえる』の原則は変わりません。
エアフライヤー本体も、専用ライナーなどの付属品も、無名ブランドの安価な製品が大量に流通しているジャンルです。中には、耐熱・安全性の表示があいまいだったり、レビューが不自然に高評価に偏っていたりする商品もあります。発火リスクを扱う家電だからこそ、本体はPSEマーク(電気用品安全法の適合表示)や販売元の信頼性、付属品は耐熱温度の明記を確認したいところです。
レビューの信頼度を見るときは、評価の数値だけでなく中身を見るのがコツです。短期間に星5の短文レビューが集中している、日本語が不自然、具体的な使用シーンが書かれていない、といったパターンは要注意です。こうした構造的なシグナルからサクラ度の傾向を推定したい場合は、商品URLを貼ると判定できる良品チェッカーのサクラ判定ツール(/)が目安として使えます。ただしこれは断定的な精度を保証するものではなく、新商品や人気品では誤検知も起きるため、あくまで参考のひとつとして併用してください。
そのうえで、どの機種を選ぶか迷う場合は、サクラの影響を除いて厳選したエアフライヤーのランキング(/ranking/air-fryer)も判断材料になります。発火リスクを避ける観点では、通気設計や温度管理がしっかりした製品、取扱説明書でシート・ホイルの可否と条件が明記された製品を選ぶと安心につながります。レビュー全体の信頼性の見極め方は、フェイクレビューの見抜き方ガイド(/guide/spot-fake-reviews)もあわせて参考にしてください。